へ行くのを見た

 玲は 小さく肩をすくめると、
 通りすがりの下男を捕まえて、 衣都を見なかったかと問いただした。
「そういえば、
 さっき 追加の酒を運んできた鶴吉が、 橋の方へ行くのを見た とか言ってましたが」
「いかんれはないか。
 こんな夜遅くに 女の子が一人で出歩いては危ないのら。
 玲君、 探しに行こう」
 穂田里が よろりと立ちあがった產前講座

「どうせ 天狗が一緒だろ。 一人じゃない」
「天狗は居ないぞ。 だいぶ前に 居なくなったのら」


 穂田里は手槍を 、玲も一応 小太刀を手にして村長の家を出た。
 それぞれに 灯を入れた龕灯がんとうも持った。
 外はすっかり暗い。
 村には 穴掘りに使っていた龕灯が いくらでもあった。

 二人が村の入り口に着くと、 橋が下りている。
「まさか 一人で外に行っちゃったんじゃないらろな。 いよいよ危ないぞ」
 足元をふらつかせながら 周りを見回して呟く穂田里の後ろで、
 玲は 杭に掛かる赤い小袋を見つけた轉奶粉便秘

「衣都の物だ。 何故 こんな所にある。
 やはり 一人で出て行ったのだろうか」
「探してみるろ」
 橋を渡ると、
 遠い波の音がかぶさって、 村の喧騒が 嘘のように静かに感じられた。
 二つの明かりで そこいらを照らしてみるが、 衣都の姿は無い。

「穂田里、 たぶんこっちだ」
 玲が向けた明かりに照らされて、
 丁度 目の高さにある枝に 短い蔦が結ばれているのが見えた。
「ヘンな木だ。 結ばってれら牙周病治療

 方向を見失いやすそうな場所で、
 衣都が目印にしている やり方だった。
「君も探したまえ。 おそらく、 これをたどれば 衣都が居る」